非公開プロジェクトについて
こんにちは。スタッフの宮嶋です。いつも通り、月曜日はまったりです。
皆さんはレストのとき、時間があったら何をしていらっしゃるでしょうか。私は家事などもありますが、クライミングがしたくてもできなければ、岩のDVD(著名人の海外ツアーなど)を観たり、ロクスノの細かい記事を読んだり、好きなクライマーのブログを読んだりします。あとは、ケアの方法をネットでググって実践してみたり・・
さて、そんな流れでとある記事を読みました。
立派な方で文才があり、冷静かつ情熱的な文章にいつも引き込まれるように読んでいます。
今回のは「非公開プロジェクト」についてのお話でした。
その方の表現に勝るものは書けないので、直接目を通していただくのがいいと思いますが、簡単に説明するとこんなかんじです。
日本にはたくさんの岩場があるけれど、それらは地元のクライマーがコツコツ努力をして開拓(岩を探し、コケや土を掃除し、下地を整え、欠けるかもしれないホールドを探りながら登る)したものです。中には、岩は見つけたものの、誰も完登できていない課題もあります。それを「プロジェクト」といいます。
彼らが開拓した岩場を、外部の、つまり開拓に携わっていなければ、地元でもないクライマーが登ることを許す行為が、エリアを公開する、ということです。
ですが、エリアは公開しているけれど、プロジェクトはトライをしてはいけないという決まりが中にはあります。理由は「ホールドが欠ける可能性、下地等が未整備であるために危険であること」「開拓者の努力あってのものだから、それ以外のクライマーに初登されたくない」と考えられています。
その考え方に異議を唱えたのが、今回の記事でした。
一部抜粋します。
■ 素晴らしいライン,難しいラインを登れるようになりたいから僕らは頑張ってトレーニングして強くなってきたんですから.中にはそのために生き方まで変えた人もいると思います.
スタートラインはみんな同じで,頑張り次第で差が付いてゆくというのは根本的にフェアな事だと思っています ■
なぜ非公開プロジェクトというものが存在するのか。それはいったいどういう奥深い問題を含んでいるのか。そんな問いかけをしてくる内容で、クライマー同士で考えてほしいと締めくくられていました。
プロジェクトを登れるのは、一部の激強クライマーに限られ、一般的なクライマーには疎遠な話に感じる方も多いのではないでしょうか?けれども、ここでこの記事について私が言い及んだのは、非公開プロジェクトという問題があるということと、それには開拓という並大抵ではない技術と努力と愛情が、岩場には注がれているということを、たくさんの人が知る必要があると思ったからです。
ブログ内では「開拓者というのは基本的に立場が弱く、労力のわりに見返りは少ない」という意味のことまで記されていました。では何故開拓者はエリアを公開したのでしょうか。
岩にいった人は、お客さんなのでしょうか?クライミングはスポーツであり、競争であり、娯楽であり、文化ではないのでしょうか?岩で登ることはキャンプ場で知り合いとピクニックするのと一緒で、見えない人との関わりはないのでしょうか?岩で登るのは、ジムで登るのと同じでしょうか。
新しい季節になって、岩に行き始める方も増えると思います。
クライミングのグレード、キャリア関係なく、こういう話題も知ってほしいと思いました。
クライミングの奥深さを知れば、楽しみ方・味わい方も広がっていくと思います!