スポットについて
スタッフの宮嶋です。今日は岩でのスポットについて思ったことを書こうと思います。
岩では、ジムのようにマットがたくさんあるわけではないので、観覧者の助けが必要となるときがありますよね。
たとえばマットが足りなくて、クライマーが登るとともにマットの移動が必要となるとき。こんなとき、見ている人はどこにどのように落ちるかを予測できなくては手助けをすることができません。常に真下に引けばいいというわけではないことは、自身登っている方ならお分かりだと思います。また、それを予測できることもクライミングの技術です。
あとは、マットの上に安全に着陸するとは限らない時。頭から落ちてしまいそうなとき、ランディングが悪くて落ちた後そのままマット外へ転げて行ってしまいそうなとき。マットの近くに当たりそうな危険な岩や突き出した切り株があるとき。
こんなとき、スポッターは手を挙げていればそれでよいのでしょうか?私が下記の事例で一番気になったのは、スポッター自身も身の安全を守らなければいけないということです。
1.クライマーが落下したとき頭を守るためスポットに入ったが、頭と下地の岩に指を挟み負傷。
2.ルーフ形状の岩にて、クライマーの足部分(つま先)からのスポット(手を下からかざす形)
3.斜面にてスポット。落下したクライマーは抑えたが、スポッター自身は玉突き状態で下へ少し落下。
1に関しては、クライマーの大事な頭を守れて、大怪我にならなかったものの、スポッターは指を怪我してしまった。これは良い結果だったのでしょうか。ぶつかりそうな岩があって、そこをスポットするならば、初めからマットか何かを置くのが最善だったように思います。
2 もしクライマーが落下し、足をスポットしたら、クライマーは足を取られ頭から落下するでしょう。それか、スポッターの手に足が思い切り当たり、手指を怪我してしまうかもしれません。手をかざしていれば安全でしょうか。これでは、「手を挙げる宗教」と揶揄されても仕方ないように思います・・
3 これは私が初めて岩にいったときの話です。とりあえずスポットをしなきゃ!と思ってやっていました。でも、玉突きで自分が下に滑り落ちてしまいました。大した距離ではないので、何事もなかったのですが、スポットの難しさを感じた出来事でした。
スポットって実はとても難しいものなのですね。スポッターによっては、クライマー自身がかえって怪我をしかねませんし、そのつもりがなくてもスポッターが怪我をしてしまう場合があります。よく理解したうえで、自信がない場合は無理をせず、どうスポットしたらいいかクライマーと話し合いましょう。
マットを自分でセッティングできるのは大前提です。常日頃からの意識もだいじですね。
また、クライマーが基本的にはスポットを信用しないというのも一つの考え方です。自分で危険を守るのが本来ですし、自信がない場合はきちんとスポッターにお願いをするのが良いと思います。
だんだん暖かくなり岩のシーズンになりますが、くれぐれも怪我をしないよう気をつけましょう!